10.02.2012@
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アグネス・スロット=モラー(Agnes Slott-Møller)
瀕死の婚約者 1906 個人所蔵
Herr Oluf ? (Her Olluff )
「オールフ氏」が邦題では「オールフ殿」となっているんだけど、領主のオールフは婚礼の前日に婚礼の客を招くために夜更けに馬で駆け抜けていくのですが、なぜか「人間が入ってはいけない魔王の国」だったみたい。
Herr Oluf reitet spät und weit,
Zu bieten auf seine Hochzeitleut'.
Du tanzen die Elfen auf grünem Strand,
Erlkönigs Tochter reicht ihm die Hand:
“Willkommen,Herr Oluf,komm tanzen mit mir,
Zwei göldene Sporen schenke ich dir.”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・延々と続きます。by ヘルダー(Johann Gottfried Herder)
魔王の娘がオールフ氏を手招きし、「踊ってください」と誘う。オールフ氏は「明日は私の婚礼の日」と断ります。魔王の娘は、オールフ氏と踊るために、贈り物を差し上げましょうと誘いかけます。
「一対の黄金の拍車をあなたに差し上げましょう」
「明日は私の婚礼の日」
「絹の下着をあなたに差し上げましょう」
「明日は私の婚礼の日」
「黄金の山をあなたに差し上げましょう」
そしてとうとう魔王の娘はオールフ氏の心臓に一撃をくわえます。
帰ってきたオールフ氏の母親は、彼が魔王の国へ入ったことを知り驚愕します。そしていよいよ花嫁がやってきました。
「私の花婿、オールフ殿はどちらに?」
「馬に乗り森へとしばし馬と猟犬とを試しに出掛けております。」
バラッドの最後は
「花嫁は真紅の帳を持ち上げる。そこにオールフ殿は死んでいた。」
アグネス・スロット=モラーは、デンマークの民俗学者アクセル・オルリック(Axel Olrik 1864-1917)の「グルントヴィのデンマーク古フォルケヴィーサ」(Danmarks Gamle Folkeviser ?)から、「瀕死の婚約者」を作品の主題にしたようです。
ここでは、瀕死の婚約者オールフへの「忠誠と愛」がテーマ」になっています。
詳しいことはわからないですが、アグネス・スロット=モラーは夫のハラルドとイタリアに旅行に行って、聖ウルスラの伝説の絵画作品をみて、「死と愛」に関心が向いたとか。
FOLKEVISEN FÆSTEMANDEN DØR
Her Olluff ligger siug under ø,– for norden –
hand sende bud effter sin festemø.
Nu ligger alle aarer ude for borde.
”Du bed hende komme, før hun gaa[r] till bord,
om hun vill tale med mig it ord.”
Ind kom det bud och stedis for bord,
till liden Kiersten taller hand samme ord.
”Eders festemand er siug och sender eder tall,
at i skal komme till ham, før hanen gall.
Och i skall komme, før i gaar till bord,
om i vill tale med hannem it ord.”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・延々と続きます。by アクセル・オルリック(Axel Olrik )
最後は・・・
Hans moder hun mone aff sorigen dø
・・・死んでいた。
北欧の画家
デンマークの画家 アグネス・スロット=モラーと夫ハラルド
フィンランドの画家 ヒューゴ・シンベリ 傷ついた天使
デンマークの画家 Vilhelm Hammershøi ヴィルヘルム・ハンマースホイ
デンマークの画家 ピーダ・イルステズ ( Peter Ilsted )
デンマークの画家 花の画家 エマ・トムセン
室内 、ストランゲーゼ30番地 1899 (ティーセットをテーブルに並べる女性)
Loeb collection
ハンマースホイとドライヤー展 CCCB
左から妻イーダ、弟スヴェン、そして紅茶を注ぐ妹アナ、母親
(C) Because of Hammershøi by Enamul Hoque
「ハンマースホイのために」 写真展 エナムル・ホーク
ハンマースホイの作品って物語が聞こえてこないと言われているからこそ、数年前の展覧会は「静かなる詩情」というタイトルがつけられたのだと思うけど、ワタシは「風俗画」だと思って鑑賞してるわけ。
当時のインテリアなんかそのまま描いている。しかもパンチ・ボウルだけではなく、ティーセットもロイヤル・コペンハーゲンだったなんて。ブルーフルーテッドのポット。カップはホワイト・ハーフレースっぽい。
この「紅茶を注ぐ若い女性」は、バルセロナのCCCB(バルセロナ現代カルチャーセンター)で「ハンマースホイとドライヤー」展があり、その展覧会風景の写真にあった「母親に紅茶を注ぐ若い女性」(ワタシがつけたタイトル)の女性だけの部分だと思った。
後姿の若い女性とは、ハンマースホイの妹アナ。sai さんの記事にアップされた妹アナの写真を見て、ワタシはイーダよりもアナのファンに。
ハンマースホイ 若い女性の肖像画 (妹アナ) 1888 オーデンセ市立博物館
「ハンマースホイのために」 写真展 エナムル・ホーク
ハンマースホイ 後姿 アナ・ハンマースホイ 1884 個人所蔵
「ハンマースホイのために」 写真展 エナムル・ホーク
正面に近いアナの肖像、そして「若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ」は、saiさんの記事から鑑賞できます。
ハンマースホイ 縫い物をする少女 1887年 オードラップゴー美術館
さてさて、ハンマースホイの作品といっしょにアップしているのはエナムル・ホークのファションフォト。楓さんが最初にエナムル・ホークの「ハンマースホイのために」を記事にしていたので、ワタシも検索してみた。縫い物、編み物、ミシン、刺繍のフォトがあった。
追記 aleiさんの記事「ヴィルヘルム・ハンマースホイ アルテミス、裸婦、集団肖像画」の最後に「編み物(縫い物)をする室内の女」(室内で編み物(縫い物)をする女)が掲載された。それがフェルメールの「レースを編む女」の雰囲気に似てる!
(C) Because of Hammershøi by Enamul Hoque
「ハンマースホイのために」 写真展 エナムル・ホーク
(C) Because of Hammershøi by Enamul Hoque
「ハンマースホイのために」 写真展 エナムル・ホーク
sai さんや楓さんの記事をはじめ、ハンマースホイの記事にリンクしてあるXAIから、いろんな作品を鑑賞してください。
XAI 「Vilhelm Hammershøi ヴィルヘルム・ハンマースホイ」